Google  

トップページへ
トップページへ
掲示板
余剰品頒布コーナー
JM6QALについて
お問い合わせ
お問い合わせ

50.60MHzの水晶を50.62MHzに変化させる実験

2009/02/18 製作
2009/04/26 加筆
2009/05/01 加筆

50MHzのAMトランシーバーを製作するために、JR3KQF局より50.60MHzと50.55MHzの水晶を数セット頒布して頂きました。
しかし、あちこちのサイトを見ていると昔から自作されている方などは、やはり50.62MHzで運用されている方も多いようです。
サトー電気などの通販で水晶を購入しようかと思いましたが、水晶を1個だけ注文するのもコストが掛かって嫌だし、どうせ受信用の水晶は売ってないので、頒布してもらった水晶で50.62MHzが発振させられないか実験してみました。

これが頒布して頂いた水晶です。
HC49USサイズのピアスCB発振用とのことです。

最初、7.000MHz水晶を7.003MHzに動かす回路を使ってみました。
JR7HAN局のサイトにある回路を真似て組んでみましたが、全く発振せず、いろいろ定数を弄ってもダメでした。
やはり7MHz用の回路をそのまま使うのは無理があるのか??

まあ基本的に気が短いので(汗)、普通の簡単なピアスCB発振回路で実験してみました。

こんな感じでバラックで組んで実験してみましたが、意外と簡単に動いてくれました。
トランジスタは再利用の2SC945を使いました。
左写真のFCZコイルの上にあるコンデンサー&トリマーがミソです。
最初、70pFくらいのトリマーコンデンサーのみ取り付けて調整しましたが、細かい調整が出来ませんでした。
47pF+27pF+10pFトリマーの組み合わせで50.621MHzが発振できました。

コンデンサーは一応NP0を使ってみましたがジャンクからの取り外し品なので精度は?です。
たまに数10Hz動いたりするようですが、ほとんど動きません。
ちゃんと組み上げてシールドすれば改善されるかな?
近いうちに、この回路で50.62MHzスポットAMトランシーバーを作ってみる予定です。


とりあえず回路図です。
単なるピアスCB発振回路そのものなんですが・・・オハズカシイ。(^^;;

※あくまで当方での実験結果ですので、使用される部品等で結果が異なる可能性があります。

 


<<以下 2009/04/26 加筆>>

先日実験してから、早くもう一回組んでみて再現性があるのか確認したかったのですが、FCZコイルを切らしてしまったので、回路を考えたり部品を注文したりしてて遅くなってしまいました。
この記事を見て再現実験をされている方もいらっしゃるようなので、遅ればせながら再実験に取り組みました。

早速、同じ回路で組んで見ましたが、どうも安定しません。
回路図を公開したものの、最初から「こんな簡単に出来るものなのか??」と疑心暗鬼にもなっていたので、想定の範囲内ではあります。
で、さっそく回路の間違いがありました。
パスコンの103(0.01uF)が付いていると、上手く発振しない事が有るようです。
これを外すと、とりあえず発振しました。
ただ、発振周波数が50.700MHz前後になってしまい、周波数変動も結構ありました。
これでは再現性がありませんね。
一生懸命実験された方、まことに申し訳ありません。m(_~_)m

もっと再現性が高い回路に出来ないかと、先日の実験の際にも参考にさせてもらった、JR7HAN局のサイトにある回路をもう一度よく見て回路の再検討を行いました。
今回は実際の送信段の局発に使用する為に、電源電圧を9Vとし、他の回路との干渉を無くすことを考慮して考えてみました。

今回の実験の際も、パスコンの103(0.01uF)が非常に大きな影響を与えました。
いろいろ部品を付けたり外したりした結果、パスコンは取り外し、抵抗・インダクター・電解コンデンサー等を追加して、なんとか安定する回路になったと思います。

電源ラインに10uFの電解コンデンサーと0.01uFのセラミックコンデンサを先に取り付け、100uHのインダクターを通して電源を供給します。
FCZコイルへは100Ωの抵抗を通して供給します。
同調用(15pF)と周波数変動用(10pF)のセラミックコンデンサーはNP0の物を使用しました。
トリマーコンデンサーは、最小5pF〜最大10pF程度の物で、ジャンクのUHF帯業務無線機基板から取り外したものです。
水晶発振子のリードは切らずに使用しました。
切ったりすると浮遊容量等の影響で、最適値が変わるかもしれません。

調整の仕方は、まずトリマーコンデンサーを最小容量にしておき、FCZコイルのコアを回し、50.600MHzから上(50.605前後)に上がって安定する位置に調整します。
その後、トリマーコンデンサーを回して50.620MHz付近になるよう容量を調整します。
希望の周波数に近付いてきたら、FCZコイルのコアとトリマーコンデンサーを交互に微調整して正確に合わせます。
だいたい周波数が合って来たら電源を一旦切って、再度投入した際に周波数が合っているか確認してください。
合っていない場合は、再度微調整が必要です。
微調整を行った後は、必ず電源を切って再投入してチェックしてください。

当方の測定では、出力はだいたい7mW程度となり、周波数変動は前後5Hz程度となりました。
ボディエフェクトも無く、一晩置いてから通電チェックしてみましたが、安定して発振しています。
オシロ等の測定器を持っていないので、綺麗に発振しているのか気になります。

回路の間違いやアドバイス、再現出来たという方、ぜひ掲示板等でお知らせ下さい。


最終的に現時点で安定した回路が下記の回路です。

※あくまで当方での実験結果ですので、使用される部品等で結果が異なる可能性があります。

 


<<以下 2009/05/01 加筆>>

別ページにも掲載しましたが、予告通り50.620MHzのスポットトランシーバーを組んでみました。
送受信の局発に今回実験した回路を使用してみましたが、安定して動作しているようです。
受信用の50.145MHzの水晶も50.165MHzで安定して発振しました。
受信音を聞く限り、異常発振等は起こしていないようです。

発振部以降の同調回路が影響するのか、実際にトランシーバーとして組んでみると、周波数が3KHz前後上がってしまいました。
最初で少し低めに発振するように調整しておけば良いかもしれません?

発振回路で試しにトリマーコンデンサーを小型の物に変えてみましたが、特に問題は無いようです。(写真の中央少し左の青い部品です)
20pF〜30pFの物でも、調整がシビアになりますが使用できました。
FCZコイルのコアは奥に押し込んだ状態(逆さまに取り付けれいれば上の方スレスレ)で安定しました。
とにかく、コアやトリマーを回して調整したら、必ず電源を切って入れ直すのが必須です。

ちなみにこの回路、水晶の銘版より下でも安定して発振します。
今回は実験しませんでしたが、水晶の周波数がちょっとズレてる時等にも使用できそうです。

軽く振動やショックを与えてもほとんど周波数変動はありませんが、念の為にコイルのコア部分はロウ等で固定したほうが良いかもしれません。
調整の時にコアを回し過ぎて緩くなる可能性が高いです。

 

今回、自分でもこんな事が出来ると思ってもいなかったので、何とか成功出来て嬉しい限りです。
元ネタとなった、50.600MHzの水晶を頒布して頂いた、JR3KQF局に感謝すると共に、6m AMユーザーがもっと増える事を願いたいと思います。
特に鹿児島では全くいませんので。(多くても数人?でしょうか・・・?)

今回の実験で使用した機材は、デジタルテスター・周波数カウンター・テキトーなQRPパワー計・RFプローブ・ハンダゴテ・安定化電源程度です。
オシロスコープなどの測定機器を持っていないので、今回の結果が良いのか悪いのか全く分かりません。
掲載されている内容が再現出来ない事も十分考えられますので、予めご理解頂いた上でのご利用をお願いします。
再現出来た・再現出来ない等の報告もお待ちしております。(掲示板へどうぞ

ちなみに余談ですが、今回の実験は、単に簡単な付加回路で多チャンネル化できないか実験してみたものです。
特にFCZ研究所等のキットを購入して、50.620MHzなら電波が出せるという人も多いんじゃないかと思いますので、QSOのチャンスを増やすためというのも有ります。
みんなで仲良く、自作とアマチュア無線を楽しみましょう。

 

Copyright (C) 2009 JM6QAL. All rights reserved.

 

inserted by FC2 system